「帰ってきたらたっくさん聞かせてもらうからね?週刊誌のお話!」


「なっ!あれはそんなんじゃねぇって」


「どーだか」



疑いの眼差しを向けたまま、隣の勇次さんへと移動する。

火のないところに煙は立たないっていうし。
全く関係がないなんて、あるはずがないよね。



「亜実ちゃん。来てくれてありがとう」



あたしに手を差し伸べがらもちらっと横をみる勇次さん。



「勇次さん、檸檬のことみてるー」


「あっ!いやぁ……」



慌てたようにあたしを見る。



「勇次さんが最後って珍しいですね!」



いつもこっちで春樹とふたりのときは勇次さんの方が先だった気がする。
たしか、東京でみんなでイベントをするときも、最後は勇次さんではなかった。



「だいたいはリュウか春樹だな。でも今回は俺を最後にしてほしいって頼んだんだ」


「そうなんだ!ありだと思うよー」



それはきっと檸檬がいるから。
みんなで来る地元の凱旋。

全員との握手が終わったあたしは、後ろを振り向いてフッと微笑む。

勇次さんと握手をしてる檸檬が幸せそうで。