「勇次以外なんていらないからね。勇次に別れようって言われない限り別れるなんてありえないよ」



あのバンドで1番目立たない存在の勇次さんに目をつけるなんて、本当に運命でしかない。



「勇次さんなら大切にしてくれそうだよね」



そんな2人がずっと羨ましく思ってる。



「付き合えたのは本当に亜実のおかげだよ」


「あたしはきっかけをあげただけに過ぎないよ」



檸檬はあたしの言葉に首を振る。



「亜実には本当に感謝してるの」


「檸檬が中学で出会って、そしてあたしが香莉菜と高校で出会って……どれかひとつでも欠けたら出会えてないんだからすごいことだよね」



出会いって本当に一期一会。
あたしたちだけじゃない。
たとえば、香莉菜と昌也が出会ってないとかそこが欠けるだけで、この二人の出会いはないんだから。

あたしと雄大の出会いもね。



「あ、もうすぐあたしたちの番!」



ストアイベントの最後に握手をしてお店を出るってながれ。
クリスタルの姿がさっきより近くなっている。