彼女もいるくせに百合さんとも体を重ねるなんて。

いい加減な男だなと思うけど、雄大もそうだった。

あたしと雄大。
体を重ねるだけだった頃とあまりにも似ていて胸がぎゅうっと締め付けられる。



「でもね、最近だいくんのお兄ちゃんがお店にきて、彼の笑顔に癒されたんだ。もしかしたら恋……できるかもしれない」



そういう、百合さんはその彼を思い浮かべているのだろう。
とてもいい顔をしていた。

辛い恋を終えられるなら、新しい恋をしたほうがいい。

だいくんの笑顔はどこか雄大に似ているから、そのお兄さんも雄大ににているのかな。
なんて、また雄大のことを考えてしまうあたしはもうどうしようもない。



「ちなみにだいくんは、亜実ちゃんの一つ下だよ!」


「え!?年下!?」



別に老けてみえるわけじゃない。
でも、妙に落ち着いてる気がする。
百合さんのことも呼び捨てだし。



「で、お兄ちゃんは亜実ちゃんと同い年だと思う」


「へぇ……」



雄大、なわけはないのに。
年が同じで、もしかしたら雄大に似ているかもしれない。

それだけで、胸は高まってしまう。