「来週来るのよ……」


「あー、百合の想い人」



ぱっと思い出したような顔になるだいくん。



「百合さん好きな人いるんですね!?」


「あはは、好きな人というかなんというか……微妙な関係かな?」



百合さんが切なさでいっぱいのような顔になる。



「百合泣いちゃうからあまり聞かないでやってねー」



ぽんっと百合さんの頭を撫でていくだいくんは、百合さんのことをすごくわかっているようだった。



「無理には聞かないから、言わなくてもいいですよ?」


「ううん。大丈夫。さいしよはね、ただのお客さんだったの。会社の関係できてて、ダルそうだったから一緒に抜け出して、体の関係になってもう何年も続いてる」



百合さんは恐らくその彼のことがすごく好きなのだろう。

それでも、体の関係があると繋がっているような気持ちになるのがあたしにも経験があるからよくわかる。



「体の関係かぁ……」


「あたしはすごく好きだけどね。向こうは違うんだ。彼女もいるし」


「えぇ……」