「今年からってことはまだ若いんだよね?」


「今年22になります!」



気がつけば、20歳なんてとうに過ぎてて。
ハタチを超えたら、どんな大人になるのかななんて思っていたけど、なにも変わっていないような気がする。



「若くていいなぁー」


「そんなぁ!いつも綺麗で羨ましいですよ!」



毎週のように美容室にきてて、女子力が高い。
ネイルだっていつも輝いてる。



「あたし、キャバクラで働いてるの」


「店長から聞きました!でも、いままで周りにやってる人がいなかったからどんなことをするのかはよくわからないですけど」



あたしには実際無縁な場所だと思っていた。



「男の人とおしゃべりしてあげるところ!」



あっけからんという彼女になんだか、ふっと笑みが零れてしまう。



「あたしの店、女の子も来れるようなお店だからきてよ!」



鏡の前に置いてあるスマホケースをひらいて、1枚の紙を取り出す。