「ふざけんなよ!?いままで普通に接してただろ!?」



春樹のお母さんはうつむいたまま何も言わない。



「なんとか言えよ!」



春樹の必死の訴えにも答えることはしない。



「んっ」



急に吐き気を催したあたしは、部屋についている洗面台に慌てて移動する。



「亜実!大丈夫か!?」



お母さんのところからあたしのところへ走ってきて、背中をさすってくれる。



「ごめん……」



最近、吐くなんてなかったのに。
春樹があたしのそばからいなくなるかもしれない。
そう思っただけで、怖かった。



「今みたいなことしか言えないならもう来ないでもらえませんか?」


「君……」


「少しでも不安になるとこうして食べたもの全部吐いてしまうんです。なので、こういうことは言わないで欲しい。俺が気に入らないなら構いません。でも、亜実の体調が治ってからにしてください」



お父さんに向かって深々と頭を下げる。