雄大の?って考えたけど、雄大はもうずっと持っていないことを知っている。

偶然ここに、同じ形のものがあるのも不思議だけど。
なんだか、誰かに渡す気にはなれなくて、そのまま自分で持っていることにした。



ふたつでひとつのハートになる指輪。
あたしと雄大が付き合っていたという証。

雄大のものなわけはないのに、これが雄大のものであって欲しいと願ってしまう。

それで、あたしのところにきたのであれば。
もう、あたしたちは一緒にいることができないけど、指輪のハートだけでも一緒にいることができたら……。

そう願わずにはいられなかった。



「亜実!」



インターシップの一日目を無事に終えて、昌也の家についたあたしを香莉菜が笑顔で出迎えてくれる。



「俺らもいま帰ってきたばっかだけど、兄ちゃん家にいるみたいだぜ?」



昌也が春樹の靴を指さす。



「あ、ほんとだ。でも先約あるって言ってたから、これかる出かけるのかもしれない」


「ふーん」