「1日会えないだけでもう?」



おかしそうに笑う。



「いいでしょ!」



誰のせいだと思っているんだか。
雄大への気持ちをかき消したいから、誰かに会いたいんだ。



「ふーん。そろそろ戻るか」



立ち上がって伸びをする雄大。



「そうだね」



時計を見ると、もうすぐ13時。
お昼の時間が終わる頃だ。

雄大に続いてあたしも立ち上がる。



「……ん?」



ドアに向かって歩いているとなにかが靴に当たる。



「どうかした?」


「なにか、踏んだかも……」



しゃがんで下を見る。


「あれ……?」



下にあったものは見覚えのあるハートの形だった。



「……え?」



慌てて、自分の首からぶら下がっているネックレスに触れるけど、ちゃんとトップは付いている。



「どうかした?」



不思議そうに首を傾げている。



「なんでもない」



そう告げて、立ち上がってポケットに入れる。