「はい、お茶」


「あ、ありがとう」



今はお昼の休憩時間。
なぜだか、休憩室にはあたしと雄大のふたりしかいない。



「ふたりは?」


「どっかいった」


「……どっか?」


「あいつら、付き合ってるからね」


「へーつきあ……って、え!?」



ふたりがそういう関係になっていたなんて、全然知らなくて、あまりの驚きに飲んでいたお茶を吹きだしてしまう。



「おまっ……きたねーよ」



呆れた様子てあたしにティッシュを投げてくれる。



「いや、あまりに衝撃的で……」



もらってティッシュで、まわりを拭く。



「好きな奴と付き合うっていいよな」



テーブルを拭いていると、雄大のそんな声に思わず彼を見上げる。

どこか、遠くを見ていて。
なにを考えているのかは読めなかった。



「お前さ……」



突然、視線があたしにむけられる。



「……ん?」


「春樹のこと好き?」


「……え?」



突然の問いに、言葉が出なくなる。
好きだって肯定してしまえばいいのに。
どうして、声が出ないのだろう。