「ゆ……「おっはよー」



雄大に声をかけようとしたとき、元気な声が飛び込んできてハッと我にかえる。

雄大も、我に返ったようで、あたしのブレスレットから手を外す。

離れてしまった手がどうしようもなく、寂しくて。
でも、あたしにはどうすることももうできない。



「お前ら2人できたのかよ」



雄大の声に前を見れば、ゆうたんと港ちゃんが並んで歩いていた。



「おう、おはよう!亜実ちゃん」



港ちゃんがあたしの顔をのぞきこんでくる。



「あんま近づくなよ」



そんな港ちゃんをグイッと引っ張ってあたしから離す。



「痛いっての。この独占欲の塊が」


「うるせーよ。お前はチャラいんだからよ」


「はぁー?」



2人が言い合いをしながら、歩くのであたしとゆうたんとそれに続く。


……独占欲。
それは、何に対してなの?

だって、雄大はもうあたしじゃない。
別の人を見てるわけで。



「雄大、俺が亜実ちゃんと話すの絶対邪魔するもん」


「余計なこと言うんじゃねぇよ、ばーか」



港ちゃんの頭をカバンで叩く。