「ねぇ、春樹って格好いいよね」


「は?どうした、急に」



突然のあたしの発言に怪訝な顔。



「見れば見るほど春樹ってイケメンなの」


「なんだよ、なんか照れるからやめろよな」



だんだんと顔が赤くなっていく。


春樹は本当に整った顔をしている。
よーく見ると、どことなくうちのお父さんに似ている部分もあったりする。
だから、頼ってしまうのかもしれない。
まぁ、お父さんがイケメンかというともうおじさんだからそんなことはない。

どことなく、雰囲気が似ているというだけだ。



「本当は雄大のことなんか気にして欲しくないくせに」


「……っ、どうしたんだよ。亜実」



自惚れなんかじゃなくて、この人はあたしを想ってくれているのだ。

雄大のことばかり考えているくせに、どうしてこんなことをいっているのか自分でもわからない。

でも、幸せになる未来を思い浮かべてしまった。
1度、思い浮かべてしまったらもう戻れない。



「雄大の勘違い。本当にしてみようか」


「それはマジで言ってる……?」



春樹が目を見開く。


あたしは、見開きながらも、奥は輝いている春樹の目に。
裏切りたくないって思った。

好きという気持ちは追いついてない。
でも、こんな新しい形があってもいいじゃないんだろうか。