「ああ、これ……えっとこれはーその……」



急に挙動不審になる雄大。

雄大の挙動不審な姿におかしくなって吹き出してしまう。



「何、笑ってんだよ」


「だって挙動不審すぎ」



よかった、普通に話せてる。



「2350円になります」



レジにたどり着いたあたしは、春樹からもらった3000円をそのまま渡す。


隣のレジでは雄大が会計をしていた。



「650円のお返しです。ありがとうございましたー」


店員からお釣りを受け取り、コンビニの袋を持つ。



「持ってやるか?」



会計を終えた雄大があたしのコンビニ袋を指す。



「ううん。大丈夫」


「そっか」



一緒に出口に向かって歩き出す。



「あ、雄大」


「ん?」


「指輪のこと、言い訳しなくていいよー。あたしはもう気にしてないから」



こんなの強がりでしかない。
ほんとはすごく気にしてるし、指輪にも彼女にも嫉妬してる。

本当はあたしの買った指輪をつけてほしいって思っている。