「これ、飲みたいんでしょ?」


「……っ」


あたしは思わずうつむいてしまう。



「大好物だもんな。ハイ」



あたしの手をとって、そのジュースを乗せる。



「……雄大」


「亜実がこれ好きだったよなーって思って触ったら、亜実の声聞こえてくんだもん」


「いや……」



恥ずかしすぎて、穴があったら入りたくなってしまう。



「好きなものは変わんねぇよな」


「……っ」



雄大はジュースのことを言っているのに。
どうしても、雄大のことを好きなことに繋げてしまう。

だって、その通りだから。
雄大のことを好きなことはいつまで経っても変わらないから。



「あ……」



ふと目線を下に下ろすと視界に入ってくる雄大の手。

そこにはしっかりと指輪が嵌められていて。
まだ、雄大が彼女と続いていることを示していた。



「彼女、まだ続いてるんだね?」


「あ?」


「指輪」



雄大の薬指を指す。