「いいのに」


「いいから受け取れよ。高校生に払わせられるかよ」


「もう……いつもありがとう」



春樹は絶対に払ってくれる。
あたしに払わせるなんてことはしない。

優しいんだから。
なんでこんなに優しいのかなぁ。

まぁ、年上だからってこともあるんだろうけど。



「亜実だからだよ」



春樹はあたしの考えを察知したかのように言う。



「……春樹」



春樹の言葉にさっきの香莉菜の言葉を思い出して、ドキドキしてきてしまう。



「さっ!中入ってろ!俺はタバコ吸って待ってんな」



照れたように顔を伏せて、タバコを出す。



「うん。行ってくるね」


あたしもドキドキした胸を誤魔化して、春樹に手を振ってコンビニに入る。



「びっくりした……」



普段は何も言わないようにしてるのかわからないけど、たまにああいうこと言うからドキドキしちゃう。

未だドキドキしている胸を抑えながら、コンビニの中を見渡す。