「買出しじゃんけんしようぜ!」



家につくなり昌也が提案してくる。



「えー?ついたばかりだよ、あたしたち」



ソファーにどかんと座る香莉菜。
完全に行く気はないらしい。



「俺と昌也で行く?」


「絶対いやだ。不公平!」



空気が読めて優しい春樹の発言に昌也は不機嫌MAXで反対する。



「こう言ってるのでジャンケンしてもいいかな?」


「仕方ないなぁー」



ぷぅっと頬を膨らませて、しぶしぶ香莉菜が返事をする。



「「「「買出しじゃんけーん。じゃんけんぽい!」」」」



4人の声が見事にハモる。

あたしがパー、香莉菜はチョキで昌也も仲良くチョキ。
春樹がパーだった。



「じゃあ、亜実と兄ちゃん頼んだ!」


「はいよ。行くか亜実」


「うん」



春樹の言葉に頷いて、玄関へと一緒に向かう。



「……ってか、こんな近くなんだからみんなで行きゃいいのにな」




外に出て、すぐ見えるコンビニを指さして笑う。