そう、嫌いではない。
実は、入院中のあたしを支えてくれたのは春樹だった。

いつも飛んできてくれた春樹の優しさに甘えていた。

でも、どうやっても春樹はお兄ちゃんなんだよね。



「春樹と付き合えば絶対に幸せになれると思うんだけどなぁ……」


「そりゃあ、春樹と付き合ったら幸せだろうなとは思うよ」


「そうだろうねー。あ、でもね、昌也と付き合っても幸せだよ」


「はいはい」



香莉菜と昌也はいつまでもラブラブで、二人ならいつか結婚するんだろうなぁって思ってる。



「ふたりはこのままでいてね」


「……亜実」



あたしの言葉に切なそうな顔になる。



「あたしと雄大は壊れちゃったからさ」


「亜実と雄大の分まで幸せになるから!」


切なそうな顔を一変させて、ガッツポーズをしてみせる。

あたしたちの分もふたりに託したい。
ほんとはあたしもずっと雄大といたかったよ。

いつまでも楽しく、4人でバカ言い合っていたかった。
でも、もうそれはできないから。