「亜実は恋しないの?」



ブランコから降りた香莉菜があたしの見る。



「してるよ」


香莉菜の問いに空を見上げて答える。



「え!?聞いてない!誰!?」


「そんなの、雄大だよ?」



雄大から変わることはない。
だって、好きなんだもん。



「……はぁ」



香莉菜は呆れ顔。

いつまで?
って感じになるのはわかる。
あたし本人だって、思ってる。



「いつまで雄大を思い続けるの?」


「ずーっと!」


「せっかくこんなにかわいいのにもったいない!」



香莉菜がしゅんとした顔になる。



「もったいないって……」


「もっとほかに恋しようよ!恋!」


「……無理」



香莉菜の言葉に首を横に振る。

もう叶うことのない恋だけど、好きなものは好き。

雄大と別れてから何人かに告白されたけど、どれも無理だった。
また繰り返したくなくて。

和樹のことは結局はやっぱり好きじゃなかったけど。
でも、あたしの心にトラウマを残すには十分すぎた。



「よし!決めた!」



香莉菜がいきなり立ち上がる。



「え?何を?」