槙「じゃあ芸能界に入ったのは?」

幸「あぁ、俺もともと歌聞いたり歌ったり・・・音楽がすごい好きで!
  将来は音楽に携わる仕事したかったんだ。
  でもそれを本物にしてくれたのは晴希」

幸はあごではるちゃんを指す。

槙・泰地「えー、はるちゃんが!?」

予想外の言葉に、思わず泰地と声をそろえてしまった。
今までだんまりに等しかったはるちゃんが、スローペースながらも喋りだす。

晴希「まぁ・・・その・・俺小さい頃からピアノを習っていて・・。
   運動神経もないし頭も悪いけど、唯一ピアノだけは上手に弾けたんだ。
   はじめは趣味程度で弾くくらいが楽しかった。
   でもね、俺をイジメたり馬鹿にしたりする奴らをいつか見返したいって思ったときに
   自分が誰にも負けないっていうのがピアノだったの。
   だからピアノで有名になってやるって思ってたんだけど、俺1人で人前に立つとか考えられなくて・・・
   それで幸を誘ったってかんじだよ」

槙「でもそれで本当に有名になっちゃうからすごいよね」

幸「いやー俺もね、ここまでこれるなんて思ってなかったよ。
  晴希は有名になってやるって思ってたみたいだけど、俺は音楽に囲まれてるだけで満足だったしなぁ」

幸は心から、音楽を愛しているらしい。

幸「でも人生何があるか分からないもんだよ。
  お前らだって、今回のドラマで大人気になるかもだよ」

泰地ともそんな妄想してみたけど、妄想は妄想。

泰地「そうなったらごめ~ん!」

泰地も現実を見ているらしく冗談で返した。