SIDE槙。


槙「えー、人参はいれなくていいよ!」

菜月「もー槙って人参は嫌い、トマトは嫌い、ピーマンは嫌い・・・
    幼稚園児じゃん、だっさ!」

槙「じゃあそれを克服できるよー美味しいカレー作って」

菜月「またそういうプレッシャー・・・
    ていうか手伝ってよね!」

槙「いてっ」

菜月が投げた人参のへたが、頭にクリーンヒット。
菜月はほんと凶暴だ。
負けん気の強さは、ちっさい頃から変わっちゃいない。
そういうとこも好きなんだけどね。

トントントン

じゃがいもを軽快に切る菜月の後ろ姿。

槙「・・・なんか夫婦みたいじゃない?」

菜月「・・・」

槙「ねぇ?」

無視。
ちぇ、なんだよ。
まあ照れてるときほど無言になること、わかってるけどね!

槙「菜月、結婚しよーね」

どーせまた無視だよね。

菜月「あいたっ!」

槙「どした!?」

菜月「俊介がうざい冗談言うから指切ったよ!」

槙「うそ!?大丈夫!?」

あわてて菜月のそばに駆け寄った。

菜月「うっそー!」

べーとしながら無傷な手をぷらぷらさせる。

槙「ばか菜月!」

かなり心配したっていうのに。

菜月「あほ槙」

槙「・・・さっきのすごく本気なんだけど」


もちろんこの言葉は無視されたけどね。