「っおせー」
腕を組みながら何度も腕時計を確認する隼人。
そんな隼人を見る花梨は
頬を赤らめ
そんな花梨を見る和馬は
不安げな表情をつくっていた。
そんな悪い空気が流れている中、ようやく来た桃代に、隼人はさっそく怒鳴りつけた。
「ごめーん!!」
「お前遅すぎだぞっ!」
自分の腕時計を何度も見せながら桃代をしかる。
だが、桃代はめげずに
何度も頭を下げて謝った。
もちろん、隼人だけではなく和馬や花梨にも。
この二人は何とか許してくれたが、隼人は中々根が強かった。
「よし!んじゃ出発〜」
いきなり表情が変わったかと思うと、幼稚のように先頭に立ち歩き始めた隼人を見て桃代は思った。
恐るべし……と。