「ぢゃあ、夏樹と花梨ばいばーい!!」
「「ばいばい!!」」
桃代は、鞄を肩にかけ、いつもの様に、一階にある下駄箱を目指して、ひたすら歩いていた。
今日の一日はなんやかをやで長かったなあ〜
なんて、ため息混じりで思いながら、一階に繋がる階段を下りようとした時だった。
ガシッ!
いきなり、誰かに後ろから手首を掴まれた。
驚いた桃代は、一瞬体をぶらつかせたが、思い切って、自分の手首を掴んでいる相手を見た。
見た瞬間だった。
桃代は、滝の様に額から冷や汗を流していた。
そう、
もう、この桃代の反応を見て、みなさんはお気づきだと思います。
ニッコリと顔を輝かせていた隼人が、そんな桃代を見つめていたのだった。