聞こえた途端、桃代は直ぐさま前に向けていた顔を
隼人がいる後ろに向けた。
隼人が桃代をまっすぐと見ていたのだった。
桃代は、こう隼人のまっすぐ見たのは初めてだったので、
普通の子なら、トキメいてキュン死するにも関わらず
桃代は逆に顔を反らしてしまった。
それを見た隼人は、
不機嫌な顔付きで、自分に背を向けている桃代に走りながら近寄った。
そんな隼人に気付かなかった桃代は、そのまま前に進もうとした時だった
「!?」
いきなり、後ろから誰かに手首を掴まれたので、驚きながらゆっくりと顔を後ろに向けてみるとー…
そこには、不機嫌な顔をしながら、桃代を上目線でガンミしている隼人の姿が目に入った。