「じゃあ!桃代!ばい〜」
「ばいばぁ〜い!」
夏樹が教室を手を振りながら出て行った。
「じゃあ、私も帰るわっ!」
そういいながら、机の上に置いてあった自分の鞄をかける花梨。
「えぇ〜!!花梨帰るん〜!!」
私は泣きながら花梨に縋り付く。
「無理無理!私早く帰って塾行かないとっ!」
困った顔をする花梨。
「わかったよ〜」
諦める桃代。
「ごめんねぇ〜!じゃあまた明日ねっ!」
桃代に気を遣いながら
教室を出て行った。
花梨が教室から出るのを最後まで見送った桃代は、スカートを最後まで伸ばし、ボタンを第一ボタンまではめると、
鞄を肩にかけ、一人教室を出て行った。
中村先生がいる事務室を目指して…。