「隼人くんが好き?」




「はい」


朝一番の教室


当たり前誰もいないに決まっている





桃代が昨晩花梨に電話をかけ話したい事があると言い


誰もいない時間帯

朝早くからの教室に二人は集まっていた



「意外!!」


驚く花梨に



「こっちのセリフ」



と文句っぽく答えた桃代



「でも今頃〜」





花梨も実は知っていた


「隼人に避けられている時かぁ」



この事を



「私が睨んだりしたからかなぁ」



顔を机の上に伏せながら泣きそうな声で言う桃代の肩を優しく叩く花梨


「いつもの桃代じゃないじゃん」


と笑いかける

そんな花梨をみていた桃代の顔からは勝手に笑みが溢れていた


「桃代のこと今は隼人くんがどう思っているのかは誰にもわからないよね」



「うん」



「でも、桃代は自分の気持ちはちゃんとわかったでしょ」


「うん」



「ぢゃあそのせっかくわかった気持ちを早く相手に伝えないともったいないよ」



肩から手を離しながら
にっこりとわらう花梨




もったいない…かぁ




空に顔を向けながらしばらく黙り込んでいた桃代だった