そして、チラッと
教室の開いたドアの方に目を向けたかと思ったら
そこには
隼人…
桃代を廊下から見つめる隼人の姿があった。
だが桃代は
そんな隼人を睨みつけ
顔を自分から直ぐに逸らした。
最悪!!
朝から隼人の顔見るなんて!!
そう怒っていた桃代に
対し、隼人は
「……桃代…」
好きな人、桃代に
睨まれたのと
顔を逸らされたのとで
深く傷付いてしまっていた。
一瞬暗くなってしまった隼人を
周りにいた女子達は見逃さなかった。
「隼人どうしたの〜」
「ねぇ〜隼人〜」
だが、そんな女子に
「…………」
無反応で何も返さず
頭を白くしながら
フラフラと自分の教室へと向かった。