だが
ある騒ぎの音を聞いた桃代の顔はさっきより
眉間にしわをよせ
顔がさらに恐くなっていた。
「隼人〜おはよ!」
「今日もカッコイイ〜」
「こっちに笑顔見せて〜!!」
隼人?
「ふっ」
不気味に苦笑いをした桃代を見て
ビクッと花梨と夏樹は
ひそかに肩を揺らしていた。
だが、そんな二人に気付かない桃代は
一人組んでいた手に力を入れながら
頭の中から“隼人”という存在を消そうとしていた。
それより
今の桃代にとっては
“隼人”と言う名前も禁句になっていた。
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