「ちょっと何するのよ!」
なんとか
正常さを保った桃代は
怒鳴りまじりで
隼人に言ったが
それを隼人は無視するかのように
桃代と目を合わせた。
「だから?」
カッキィーン!
隼人が冷たく放った言葉に桃代の血管が切れてしまった。
「だからじゃない!
だ・か・らじゃ!」
自分と隼人との間に
壁がほしかったので
桃代は自分の顔を手で覆った。
カッキィーン!
今度は隼人が切れる番だ。
隼人がこんなにも
自分の顔をアピールしているのに、
まだ桃代が自分の素敵さに気付かない事に切れている。
「この手邪魔だぁー」
桃代の手をどかせようとしたが
なかなか桃代は離そうとせず
力を入れる。
だが、そんなのは時間の無駄で
女が男に力で勝てるはずがない。
「これで、もう大丈夫だね♪」
きゃーーー!!!
隼人は余裕な笑みを泣き出しそうな桃代に向けた。
桃代の両手が
隼人に壁に押さえられてしまったのだ。