ガラガラ…
ドアが開く音に、桃代は伏せていた顔を上にあげた。
隣で座っている隼人も同じ反応をした。
「あーー!」
ドアの先にいる二人の影を見て、桃代はその場で叫んだ。
隼人は立ち上がり
嬉しそうな顔をしていた。
「へっへーん!!」
鼻を高めながら偉そうに繋いでいる手を見せつけ笑う和馬に
「えへへ」
と和馬に繋がれている手を恥ずかしそうに見る花梨。
「もしかして」
隼人が言おうとした言葉の先を
「「付き合う事になりましたー!」」
と和馬と花梨が奪うようにして隼人の言葉を奪った。
そんな二人の光景をみた桃代は涙が目にたまっていた。
そして、満面な笑みを浮かべると
「お…おめでとー!!」
と二人を祝福した。
ドキン…
え?
今の鼓動に、不思議ながら胸に手を当てる。
今のなんだー…?
今までになかった気持ちが胸に溢れ出す。
隣で涙を流しながら笑う桃代をみて
また鳴り出す胸の鼓動。
なんだよー
この気持ち?
一人不思議なりながらも
目の前にいる幸せそうに手を繋ぐ友達を見る
今はどうでもいっか
開き直りながら
桃代の手をひいて
和馬と花梨の元へむかった
隼人ー…。