そう言うと八神君は
「姫宮が元気ならそれで安心。迷惑なんて思ってないし、それに毛布ありがとな。一旦部屋行って準備してくるな」
そう言って、八神君はニコッと笑って私の頭をポンポンとしてから2階に上がった
八神君が下に降りてくるまでにお弁当を作り終わらせようと思い再びキッチンに戻った
2人分のお弁当を作り終わり、朝食を机の上に並べていると
『トントントン』
階段を降りる音がした。
八神君、準備終わったんだ。
「姫宮、ごめんな。全部やらしちゃって」
「気にしないで。私も昨日、迷惑かけちゃったし」
「だから、昨日のことは気にするなって。迷惑なんてこれっぽちも思ってないし。な?」
「うん。ありがとう!」
「おう!ぱぱっとご飯食べて学校行くぞ。」
「うん。」
20分ぐらいで2人ともご飯を食べ終わりお互い自分の準備をしていた
大体の準備が終わり、食器を洗っていて時計を見ると7時10分を過ぎていた。
自転車だったら7時半に出ても間に合うな。
食器を洗っていると、準備の終わった八神君がキッチンに入ってきた。
「姫宮、俺も手伝うよ。」
「大丈夫だよ。八神君は先に行って?」
「あ、おう。じゃあ。先行くな。」
「うん。行ってらっしゃい」
八神君はソファーに置いてあったリュックを背負って私より先に学校に行った
『ガチャン』
「はぁー。」
俺は今、1人で学校に向かって歩いている
本当は陽菜と一緒に学校に行こうと思ってた。
でも、陽菜は明らかに一緒に行く気もなくてむしろあえて行くタイミングをずらしていた。
すげーショックだったとは言わないけど…
あえて、食器を朝に洗って俺と一緒に行かないようにずらしてるのを見るのは辛かったな。
おかげで、久しぶりの学校だっていうのに、すげー。憂鬱
「はぁー。」
溜息をつきながら歩いてると
「竜輝ー!」
後から声がして振り返った
「あー。大和か。おはよ」
こいつは俺の親友の上村 大和 Kamimura Yamato
「あー。ってなんだよー!テンション低いなー」
「今日はそんな気分じゃないんだよ。」
「学年の王子様がそんな怖い顔だといけませんよ?」
はぁ。なんなんだよ、学年の王子様って
めんどくせぇ。と思ってると
「あ!姫は今日、自転車登校だ!」
「姫?」
「竜輝、まさか姫を知らないなんて言わないよな?」
いや、そのまさかだよ。知らないよ。
「知らないけど…」
「うっわ、まじでありえないけど、ありえないこともないか。」
さっきっから、こいつなんなんだよ。
「で、姫って誰だよ。」
「姫って言ったら1人しかいない!すばり、3組の
姫宮 陽菜ちゃんだよ!」
姫宮 陽菜って、陽菜だよな?
「姫宮?」
「そう!もう文句なしの美少女だよなー。さすがの竜輝も名前ぐらいは聞いたことあったろ?」
「あぁ。」
聞いたことあるよ。