「もちろん!こんな料理でよければ!」
「ありがとな!料理はできないけど俺もなんか手伝うから。」
「うん!ありがとう!」
話している間にお互い食べ終わっていた。
食器を洗おうとキッチンに向かってお皿を洗おうと思ったら…
「あっ!お風呂洗わないと!」
急いでお風呂場に向かった。
お風呂を洗い終わりお風呂を沸かし終わって、キッチンに戻ったら途中だったはずの洗い物がすべて終わっていた。
八神君がやってくれたんだ。
八神君は洗い物を済ませてくれて今はソファーに座ってテレビを見ていた。
「八神くん、洗い物してもらっちゃってごめんね。ありがとう。」
「お礼言われるほどじゃねーよ。言ってくれれば俺やるし。あんまり俺に気を使わないで?」
「うん。これからは頼むね。」
八神君にそう伝えると
「絶対に姫宮は頼まないな。お前、人にもの頼むの苦手だもんな。だからこれからは俺が勝手にやるからな。」
え?なんで八神君、私が人にものを頼むのが苦手だって知ってるんだろう。
そう思っていると、『ピーピー』
お風呂が湧いたことを知らせる音が鳴った。
「あ、お風呂湧いた。八神君先に入って…」
「ありがとう。じゃあ先に入らせてもらうな。」
そう言って八神君はソファーからたって私の頭をポンポンとしてお風呂場に向かった。
いま、、八神君に頭ポンポンされた。
どうしよう。胸がドキドキして…
なんだろうこの気持ち…どうしよう。
ただのクラスメイトだと思ってたのに八神君の優しさに触れる度にどんどん惹かれていく自分がいる。
とりあえず、落ち着こうと思いソファーに座ってテレビを見始めた。でも、いつの間にか夢の世界へ落ちていっていた。
俺は今、風呂に入りながら自分の言動を振り返って反省中だ…
陽菜を見るとどうしても歯止めが効かなきなる
さっきだって、陽菜が目の前にいると思わず触っちまったし…
「陽菜、急に頭触っちまってびっくりしてるよな」
しかも、陽菜からしたら俺はただのクラスメイトなのに、あいつの性格を言い当てちまったし。
絶対、不思議に思ったよな…
でも、本当に少しでも頼って欲しかったんだ。
なんの文句も言わずに夜ご飯を作ってくれた上に皿洗いとお風呂洗いをしようとしている健気な姿が可愛くて仕方なかった。
その姿を見て頼ってほしいと心から思ったんだ。
でも、あんまり深入りしちゃいけない。
陽菜の為にも俺は同じクラスの八神君で いないといけないんだ…
溢れそうな思いは止めないといけないんだ。
浸かりすぎたな、そろそろ出るか。
風呂から出ると、かごの中には俺が入る前に入れておいた下着とパジャマの他にバスタオルが置いたあった。
陽菜が置いてくれたんだな。
俺、ほんとに陽菜に全部やってもらってばっかだな
着替え終わって洗面所を出たら陽菜はソファーに座っていた。
「姫宮、風呂上がったぞ。バスタオルありが、」
ありがとうと言おうと思ったら陽菜はスヤスヤ寝ていた。
「姫宮?」声をかけても起きる気配はなかった
陽菜の近くに行くと、いつもより幼い顔をして寝ていた。
「陽菜、起きろよ。」
ぼそっと呟くと…
「んー。八神君ー?」
かなり眠そうだが起きたみたいだ。
「おはよ。風呂上がったぞ。あとバスタオルありがとな。」
「じゃあ入ってくるね。おやすみ!」
なんでこのタイミングでおやすみ?
「おやすみって姫宮、風呂入るんだろ?」
「え?私は入るけど八神君はもう寝るでしょ?」
「いや、姫宮が出るまで起きてるよ。」
というか、俺のせいで寝るの遅くなってるのに先に寝るってそんなことしたくない。