待たせたから怒ってるのかな…

やばいよ。早速怒らせるのは…

「姫宮、大丈夫か??」

八神君は心配してくれていたのに焦りすぎて八神君の言葉にかぶり気味で話し始めてしまった。

「八神君。ごめんなさい!すぐに鍵開けるから!」



そう言うと八神君は「そうじゃなくて!」と言って

「こんな大荷物、1人で持って帰ってきたの?俺が来てからだったら一緒に行ったのに…」と言ってくれた。


え、そんなこと思ってくれてたんだ…

「そんなこと思ってくれてありがとう!(ニコッ)」

八神君は少し照れくさそうにそっぽを向いた。

「あ、それよりなんでそんなに急いでたんだ?」
「いや、帰ってくるの遅かったから八神君怒ってるんじゃないかなって…」

「怒ってるって…はぁ。俺はそんなに短気じゃねーよ。」


「あ、そうだよね。ごめん。」

「いや、怒ってるんじゃなくて…まぁとりあえず、姫宮が無事でよかった。」

無事でよかったなんて…八神君って本当にいい人だな。

「ありがとう!あ、鍵開けるからちょっと待って」

「ガチャ」


「上がって!2階のこないだ案内した部屋が八神君の部屋だから好きに使って!」

「ありがとう。じゃあ遠慮なく使わせてもらうな」

「ご飯出来たら呼ぶからゆっくりしてて…今日、カレーなんだけど大丈夫?」

「全然大丈夫。俺、好き嫌いもないし…でも、料理できない代わりになんか手伝うからなんでも言ってくれ。」

「うん!ありがとう。」

「じゃあ2階行くな。」

「うん。」

八神君ってほんとに優しい人なんだな。

さっきも…私が鍵を探している間に何も言わずに荷物を持ってくれたりして…八神君の為にも美味しいカレー作らないと!!
「じゃあ行ってくる。陽菜ちゃんと仲良くな。」

「あぁ。わかってる。父さんも元気でな」

「たまには帰ってくるからな。あ、陽菜ちゃんの家には17時ぐらいに行くようにな」

そう言って父さんは家を出た。

時計を見ると15時過ぎで17時まで2時間もあった。


荷造りまだ少し残ってるから片付けちまうか。


1時間ぐらいすると荷造りも完璧に終わった。
まだ1時間もあるし散歩でも行くかな。

「いい天気だな。」


でも、もう11月だから夜になると少し肌寒くなるんだろうな…

そういえば、陽菜ってシュークリーム好きだったよな買って行ってやるか。

そう思い、家の近くのコンビニに向かった。


「いらっしゃいませー」

「シュークリームはどこだ。」

あった。今どきシュークリームにもいろんな味があるのかよ。苺・チョコ・カスタードどれがいいんだ…

よくわかんないから全部買って行ってやるか。

シュークリームを買い終わってコンビニを出たら16時30だった。


陽菜の家まで20分ぐらいだから家に帰ってすぐ出れば17時ちょい過ぎにはつくか。


家について準備をして家を出た。


いつもより歩く速さが早かったのか15分ぐらいでついた。

『ピンポーン』

「陽菜、いないのか?まぁ、5分早くついちゃたしどっかいってんのかな。」




17時から10分近く過ぎると

『ガサガサ』

なんだ?音のなってる方を向くと、大量のレジ袋を持った陽菜が今にも転びそうな勢いで走ってきている。

あんな量、女子が持つ量じゃないだろ。

「姫宮、大丈夫か??」

心配になって陽菜に声をかけたのに陽菜は「ごめんなさい!」と謝り出した。

なんで、急に謝りだしまのかと思ったが陽菜の話を聞いて謝った理由がすぐに分かった。

陽菜は待たされたのを怒ってるんだと思ったみたいだ。
陽菜の家に上がり2階に行くとこないだ案内してもらった部屋を見つけた。


「ここが今日から俺が使わせてもらう部屋か」

大体6帖ぐらいの部屋だ


ベットや机はもう置いてあって、30分ぐらいで大体の整理は終わった。

ちなみに、隣は陽菜の部屋だ。

気分転換に外の空気を吸おうと思ってベランダに出ると空はものすごく綺麗だった。

「綺麗だなー。」

そんなことを呟きながら、色々と考えていた。

部屋は大体、前と同じ感じになっだけど1つ違うことがある。それは、前は陽菜との写真を机の上に置いてあったが今は倒してあること…



陽菜が俺のことを思い出しますようにと星に願ってみた…




「よし!出来た。」

今日はカレーとサラダを作ってみた。

時計を見ると18時ちょい過ぎ。

八神君を呼びに行かないとと思い八神君の部屋に行った。

「ふぅー。」

『トントン』

ノックをしても返事がない。

「あれ?寝てるのかな?」

申し訳ないけど入らせてもらおうかな…