「陽菜!安心しなさい!お父さんと一緒に北海道に転勤になった人で陽菜と同い年の娘がいる人がいるらしいからその子と同居してもらうわ!」


「ほんと!?同い年の女の子と一緒に住めるなんてすごい楽しみ!」



その話を聞いて不安なんてこれっぽったも無くなって2人での同居生活が楽しみで仕方なかった。


「菜々。陽菜にあんな嘘言って大丈夫なのか?
一緒に暮らすのは同級生の女の子じゃなくて男の子だぞ。」



「嘘でもつかないとあの子は絶対に男の子と住むことを了承しませんよ。今の時代、女の子1人で暮らさせるなんて怖くて仕方ありません。」



このお母さんとお父さんの会話が聞こえてれば、あんなことにならなかったのに…って後悔しても遅いか…
蘭と帰りながら、昨日の出来事を話すと…



「陽菜が1人暮しなんて不安過ぎるけど女の子がいるなら安心だね。よかったじゃん!」


「うん!今日からその子と暮らすんだけどすんごい楽しみなんだ!蘭も遊び来てね!」


「行くね。その子に迷惑かけないようにね」


「わかってるってーじゃあねまた明日!」


『陽菜、ほんとに大丈夫かな?まぁ、また話を聞けばいっか』

楽しみだなー!どんな子かなー?


きっと傍から見たら今の私はニヤニヤしながら歩いてる気持ち悪いやつだと思う笑


「ただいまー!」



玄関に入るといつも無いはずの靴が何足か並んでいてもう来ているのだと思い、ワクワクしながらリビングに入った。



リビングに入ると、私のお父さんとお母さんの他に
少しダンディーでイケメンな男の人と、男の子…



もう一度言います。



男の子。


「え?あの同級生の女の子は?」


私の問いかけに反応したのは男の子。



「姫宮、女の子ってなんのこと?」
皆さん疑問に思ったでしょう。なぜ、この男の子が私の名前を知っているか…


それは、同じクラスだからです。(1度も話したことないです(汗))



男の子の名前は八神 竜輝くん
無口でクールな学年1のイケメン君です。


いや、八神くんの紹介をしてる場合じゃない!
「お母さん!女の子って言ってたじゃん!どう考えても八神君は男の子でしょ!」


「あら、八神君の事は知ってるの?ならもっと安心ね!」


はい?安心ねって!年頃の男女が一緒に住むののどこが安心なのよ!


「お母さん!いくらなんでも、一緒に住むなんてやだよ!それなら1人でいいから!」


お母さんに1人で暮らしたいと説得していると…



「はじめまして、竜輝の父です。」


え?まさかのここで八神君のお父さん登場?笑


「はじめまして、姫宮 陽菜です。」


とりあえず、自己紹介をすませるとお父さんからまさかの一言。


「竜輝は家事が全く出来なくて、竜輝の母親は今アメリカにいて僕が北海道に行くと竜輝は1人になってしまって大変なんだ。だから、竜輝を陽菜ちゃんに頼めないかな?」
いや、そりゃあ八神君に飢え死にされるのも困るけど…


竜輝君のお父さんには申し訳ないけど断らせてもらおうと思い、頭をあげると…


そこにはキラキラな目をした竜輝君のお父さんがいて…



「わかりました。私でよければ…」


言ってしまった。もうこうなったらやるしかない!



「ありがとう陽菜ちゃん。助かるよ。」


「はい。」


私が同居を了承したことが親にとったら相当嬉しかったのか…その後、お母さんは八神君を私の隣の空き部屋を使わせてあげなさいだの、家を案内しなさいなどと言いたい放題。


「ほら!陽菜、八神君を案内してきて☆」

「はいはい。八神君ついてきて。」








家の案内も一通り終わり



今は、沈黙でとっても気まづい雰囲気です。

入学してから半年もたっているのに1度も話したことがない上、学年1のイケメン君と同居なんて…
マンガの世界かよ!

999の薔薇

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