「うん。」
そう言って蘭は微笑んでくれた。
だから、可愛くないって言われたのも悲しかったし
仲良くなりたいって思ったんだ。
自覚したのはいいけど…家出てきちゃったし。
どうしよう。
「蘭。どうしたらいいかな?」
「とりあえず、今日は泊まっていきな。
明日の昼頃に家に帰ればいいよ。」
「ありがとう。ご迷惑かけます。」
そうして夜は2人でたくさんの話をしながら寝た。
次の日
朝食を済ませてたわいもない話してたらもう12時を過ぎてた。
「陽菜?そろそろ帰らないと」
「帰りたくないよー。」
昨日、自分の気持ちを自覚してから
八神君に会うのが恥ずかしくて仕方ない…
「いいから早く帰りなさい!」
「うぅぅー。」
それから、30分ぐらい蘭と言い合ってついに…
追い出されました。
『ガチャ』
ドアが開く音
「ただいま…」
ただいまって…陽菜!?
少しすると陽菜はリビングに入ってきた
「おかえり、姫宮…」
久しぶりに陽菜と話した。
「ただいま。急に出てっちゃってごめんね。」
今、話してる段階では怒ってる感じはない。
「俺は大丈夫。姫宮こそ大丈夫か?」
帰ってきてからの陽菜の顔色といい声のトーンが元気がなくて心配だ。
俺と暮らすのが嫌なんじゃないかな?なんて思っちまう。
「疲れてるなら江國の家に泊まってもいいぞ?」
本当は出ていって行って欲しくない。
でも、元気の無い陽菜は見たくない。
「疲れてるわけじゃないの!」
突然、陽菜が大きな声を出すからびっくりしてると
「え?」
みるみる赤くなる陽菜の顔。
やべー。陽菜、可愛すぎる。
「あの、あれなの。」
赤い顔のまま話し始めた陽菜
「ん?」
「家を出ていったのは…八神君が嫌いな訳でもないし…疲れてた訳でもなくて…」
そう言われて安心する反面、なんで出ていったのか疑問も浮かぶ
「出てったのは、あの、自分の気持ちの整理がつかなかったというか…」
気持ちの整理?
陽菜の言っている気持ちの整理の意味があまり分からず、首を傾げると
「だから、八神君は悪くないから!私が悪いの!」
そう言ってどんどん赤くなる陽菜の顔。
すると陽菜は突然
「気にしないで!」
そう言ってすごい勢いで2階に上がってった
その後、俺はその場から動けずにいた。
理由は真っ赤になった陽菜の顔が頭から離れないから…
少し経って、陽菜の赤かった顔の原因は無意識の内の疲労だと思って夕食は買いに行くことにした。
でも、どこかで…俺と話すのが恥ずかしかったからあんなに顔が赤かったのかな?
なんていう期待もあったりするんだ。