「…きれい…。」

フードの中身は女の私でもため息が出てしまいそうなくらい綺麗な男だった。


綺麗なブロンドの髪に少し緑がかっていてガラスのような瞳。


「そ、そんな事ないですから。」

男は再びフードを被ってしまった。


「おい、水音こいつはなんなんだ?さっきから…挙動不審にも程があるぜ?」


「私もさっき路地で初めて会ったから分からないんだけど、集団に追いかけられてたみたいだからとっさに?連れてきちゃった。」


(テヘッ☆)


「お前…可愛子ぶってもダメだからな。」

フードの上から頭をグリグリされた。


「痛い!摩擦でハゲる!」

「あ、あの!俺は決して犯罪者じゃありませんから…それ以上は…。」


今にも泣きそうな目で冬馬さんに訴えかけた。


「ッチ。わーったよ。それなら好きなだけここにいろよ。」


「…ありがとうございます。」

「あー、あとくれぐれもアイツの面見ようとか思うなよ?」


そう言って私のフードに覆われた顔に向かって指さすとバーカウンターに消えて行った。


「はぁ、やっと消えてくれた。凄い勢いで迫られてビックリしたよね。あの人はこのバーcigaretteのオーナーで店長の冬馬さん。」