大通りには何やら集団が通過したらしく普段は道路の真ん中でも人が堂々と歩いているのに、人がはけていた。


フードの男を見ると私の身体に隠れるように身を屈めて大通りを気にしている様子だった。


(よく分からないけど。ここがバレるのも時間の問題だろう。…)


「…フードのお兄さん、こっち!」

「え、あ?!ちょっと…!」


半ば強引に路地のさらに奥に入って
さらに何箇所かの角を曲がってポツン現れるドアに向かって走った。


ガチャ!!


「いらっ…なんだお帰り、って、どうしたんだよ?そんなに息切らせて!」

バーのカウンターで優雅にグラスを磨いていた冬馬さん(このバーcigaretteのオーナーであり店長)が目を丸くした。


「…ちょっとね。それより、ちょっとこの人をかくまってあげて。」


私の後ろにいるフードの男を指して行った。


「…誰だか知らないけど厄介ごとは持ち込むなよ?取り敢えずそこ座っとけ。」


私はフードの男を席に促して座らせた。


「で、あなたは誰?どうして追いかけられてたの?」

「そ…れは…」


言い訳を考えているのかフードの男は中々
口を開かなかった。


「おい、モジモジしてねぇでさっさと答えろ!あと、そのフードも取れ!ってか取るからな!!」


「あっ!ちょっと!!」

水を運んできた冬馬さんにより男のフードが外された。


パサ…