「あ、ホモじゃ私のこと好きになってもらえないか。バイセクシャルでも好きです」

「だからオマエ何を」

「さやかです。いい加減名前覚えてください。だって告ってくる女の子次々とフってるらしいじゃないですか。言い寄ってくるのが男のひとならOKなの?」

先輩は首に巻いたタオルで汗を拭きつつ言う。

「男といた方が楽。女ってすぐ泣くし、弱っちいし。つきあい断わって泣かれるのが一番最悪。どうしたらいいか、解らん」

彼の汗の雫のひとつひとつが、雨に濡れる気高い薔薇のようで益々素敵に見える。