愛と情

帰り道、さっちゃんが
『ねぇ！翠ちゃん、連絡先聞かれた？』

『あ…うん。あの白シャツの人』

『えー！いいなぁ、私誰とも交換してない！』

『いや、あの人は一番喋ったのが私だからじゃないの？
てか、さっちゃんはこうちゃんいるし…。
こうちゃんが一番先輩なんでしょ？
なら、他の男メンバーはさっちゃんには連絡先聞かないでしょw』

『別にこうちゃんとヤったけど、付き合ったわけではないし、他の人も知りたいしー。』


さっちゃんは男好きだ。
すぐにヤる。
そして、大体遊ばれて終わる。
一回とかで終わる事もある。

なのに、プラス思考で
『いやぁ、あの人最初はよかったけどだんだんウザくなって～』
とか、いかにも自分の方が飽きましたみたいな感じで話してきて、大体その次の一言は決まって、
『でね、今ね、いい感じの人がいてさ』
ってパターン。



切り替えの早さと、そのプラス思考には尊敬するが…遊ばれてるの気付かないのはイタイ。
スタイルも顔も下の上くらいだ。
しかし、頭は良い。


そもそも、この合コンも一回流れた。
理由は、さっちゃんがこうちゃんとヤって、何かそのあとゴタゴタしたとか…
でも、みんなの手前しようってなった。



『さっちゃん、こうちゃんはどうなの？』


『んー。職は安定してるし、車も別に悪くないし。いいよ！
でもね、私は付き合いたいけど向こうが何かよくわからないんだよねぇ…』



(…また、遊ばれてんじゃん)



『まぁ、もう少し様子見てみたら？』


『そうだよね。じゃあ、今日はおつかれ！また何か進展あったら教えて！』





手を振りながら、私は
進展…そんなのないだろうけど。
と、思った。