いつも通りのクラス、

眠たい数学の時間や、めんどくさい式歌練習

怒鳴る先生の声ですら懐かしく思えてくる。

今までは何も感じないで過ごしてきたけど、

とっても大切でかけがえのない時間だったなと今ごろになって気づき始めた。

終わりだって思いたくないけど、目の前にある色紙がより一層強く思わせる。

学級委員長だから、担任の先生に向けた色紙をデコったり、色々しなきゃいけなくて

あんまりこういうのは得意じゃないから、

正直困っていた。

「あぁ、私にも淳みたいなアイデア力があればな...」

ぼそっと呟いたのに、何故かいたある人に聞こえてて。

「1人で俺の話?そんなに好きなんだ。
ん?色紙...担任へのやつか。どうしたんだよ。
困ってんなら、俺に言えよ」

私の前の席に座って、アイデアを出してくれた。

やっぱり、才能があって人って生まれ持ったもので決まるんだなって、淳が遠い人みたいに思えた。

でも、どうせお別れだって分かってるから。

最後は、『さようなら、ありがとう』って笑顔で言えるかな。