長い黒髪を高くポニーテールで一本にして、

くろぶち眼鏡をかけて、ラジオ体操。

そうして、私の朝は始まる。

といっても、淳からのチャイムを待つだけなんだけど

毎朝一緒にいても嫉妬されないのは、

お似合いだから?

いやいや違う。

幼なじみだってみんな知ってるから

公認幼なじみみたいなイメージ

ピーンポーン

チャイムにお母さんがでる。

「おはようございます、お母さん。
真琴...いますか?」

聞きあきたその言葉ですら、最近では意識し始めるようになった。

「はいはい。いるから。ちょっと待って」

「はーい」

実は、昨日密かに作っていたクッキーをお裾分けしようと思っていて。

ああ見えて淳は、クッキーが大好物で

その事を私しか知らないことに胸が踊る。

玄関に急いでいって、ローファーをはくとお決まりの一言。

「「いってきます」」