「そんなの大学に入ってから考えれば良いんじゃん!

夢を潰してなんかいない、新たな可能性に進んだだけだ。

真琴に夢はないのか?

昔、俺に楽しそうに話してくれただろう?」

「覚えてるよ」

そう、忘れてなんかいない。

私は、パティシエになりたかった。

でもそんなのは儚い夢なんだって、

無理なんだって、諦めた。

「真琴のつくるお菓子は、どれも美味しい。

俺は、真琴のお店を見てみたいんだよ。

なぁ...まこっ...」

「ほっといてよ!!

敦は私の何を知ってるの。

何も知らない人が、勝手に口出ししないで!」

水溜まりに何回入ろうが、水飛沫がスカートに跳ねようが、どうでも良かった。