シフトも終わり、自由になったので、与理に連絡し、空き教室に向かう。



すると、もう与理はいた。





グイッ




「キャッ」


突然抱きしめられた。


「よ、与理?」


どうしたのかな?


「初陽、やっと触れた」

「ふふ、いっつも触ってるじゃん」

「そうじゃない」

「?」



唇が近づいていく。


2人の影が重なる。



「っ、ずっと初陽に触れたくて、我慢してた」

「…」

「初陽、あったかい」


ドキッ


なんか、すごく甘えられてる。



「初陽、これからどうすんの?」

「適当に回る」

「ひとりで?」

「う、うん。だって、那由ちゃんは葉山君がいるし」

「そっか」



「でも、ほんとは与理と回りたい」

「…」

「与理との文化祭最後だし」

「…」

「でも、無理だよね」



「っ、初陽」

「なに?」



「一緒に回ろっか」








「え!いいの!?ってか、ダメでしょ!」


「今日はサービス」


「え、で、でも、バレるよ?」


「今日は、着替えて、他校の人の振りしよ」


「でも、それでも、与理に彼女がいるってことは噂になるよね?」


「もう、それでもいい」


「ほ、ほんと…?」


「うん」