洗ってこよう。
重たい腰を持ち上げて図書室を後にする。
すぐ近くにある手洗い場の蛇口をひねる。
勢いよく出る水に少し躊躇して傷口を触れさせた。
傷口にあたる水が少し染みていたくて。
ぎゅっと目を瞑る。


ピリッと痛くて、むずむずする。


なんとも言えない痛さが。
私の心みたいで。
また心にもやがかかった。


血を流し終えた後、ハンカチで傷口を拭いて。
また図書室へと戻っていく。


絆創膏、確かカバンの中に入ってるはず。


図書室へ戻ると。
窓の外は暗くて、雨も降っていて。
中には本が散乱していた。


なんか、もう。
やる気なくなってきた。


怪我のせいで時間ロスしちゃったし。
もう帰らなきゃいけない時間だし。


あと5分で、片づけなんてできっこない。


鼻の奥がツンっとする。
泣いちゃだめだ。
自業自得だし、泣く資格ないし。


涙がこぼれないよう目をぎゅっと瞑ると。
それと同時に外に雷が落ちた。