と、声をかける。口説き文句は、適当にそれっぽい事を言えばなんとかなると思っている。

「?、なんだよ。」

少し顔を顰めたような、それでいて不思議そうにこちらを見てくる相手。それに負けじとこちらも目の前の男を上目遣いで見る。見……る…。

見て、少し吃驚する。ダークブラウンの、柔らかそうな髪。精悍なのにどこか中性的で綺麗な整っている顔。

………容姿が想像以上に整っていた。

そして、金と銀のメッシュ。……どちらか1色に すればいいのに。この男は、なぜ2色?

_______金メッシュなら、【あの人】の方が似合ってたな。 懐かしい。

そんな事を考え始めたため、頭を軽く横に振って意識を戻す。

『どうかしら?』

と、聞いてみる。

相手は舌打ちをした。いや意外ですね。別に、駄目なら、を当たるけど。

あ、それとも彼女いるのか?彼女持ちの奴には手を出すつもりはない。のちのち、面倒だからね。

男は何を思ったのか私の手を握り歩きだそうとする。いやいや待て待て、え?何?朝から?夜じゃないの?

不思議に思い力を込めれば相手はこちらを、振り返り

「ついてこい。」

と、言い歩き出した。


いや、自分勝手過ぎない?なんて私は言える立場じゃないのだけれど。