学校に着く。いつものように、幹部以上達は尊敬、憧れを。お姫様には、嫉妬をこもった目で見ている群衆たち。(主に女子)

いや、もう。すごい真っ黄色の悲鳴が沸き起こっている。

そして、私が車から降りた瞬間に無くなるその悲鳴。

「ハハハッ。」

時友なんて、私を見て苦笑いしている。金髪は、私の方を見てギョッとしている。

『なりたくて、なったわけじゃなかったのよ。ただ、少しこの前は虫の居所が悪くて。』

困った顔をして、申し訳程度の弁解する。

「虫の居所が悪かったっつうレベルじゃなかっただろ……。」

呆れたように呟く金髪に苦笑を零して、もう降り立っていた永富やお姫様、十勝に続く。

私たちが下駄箱へと向かって歩いている横には、女子の壁。

よくある任侠物の映画とかで組員たちがズラーッと横に並んで若や組長に挨拶している、みたいな図だ。