ちゃっちゃとピアスやネックレスを身につけ鞄を持ち、部屋を出る。

「あっ!里香ちゃん来た!!いこいこー!」

そう言って再び私の手を掴んで歩き出したお姫様。

フレンドリーだな。ここの人達は人見知りとかしないのだろうか……。

まぁ、ヤンキー達が人見知りしてるのも……想像したら、少し気分が悪くなった。

部屋を出て階段を下り、倉庫から出たところで時友に会った。

「おはよ、里香ちゃん。」

『おはよう、時友。』

声をかけたところで、少し気になるところがありお姫様の手をやんわりと外し先に行ってるよう促す。

分かった!と言い、とてててと走る姿がウサギみたいだと思った。

『そう言えばさ、ここの家事とかどうしてるの?洗濯とか。』

「ああ、俺がやってるよ。洗濯とか、掃除とか。あ、里香ちゃんの服とか下着とか俺洗っちゃったけど良かった?

流石に干す時は男達のとは別に、目立たないところで干したけど……。」

この人、すごいな。

『ごめんなさいね、洗ってもらって。これからは、私も手伝うわ。

洗濯物の件、ありがとう。

干す場所、私は別に室内ならいいんだけど貴方達は気まずいわよね?』

間に合わなくなると困るからと、車のあるほうに促される。

「幹部達なら、昔遊んでたりもしたからまぁまぁだけど下の奴らではウブな奴もいるからね。」

『ええ。あ、そう言えば帰る時はまた行きみたいにみんなで帰るの?』

「うん、そうだけど。」

『私、寄りたいところあるの。』

「寄りたいところ?」

一瞬、目がキラリと光った。警戒を、するような。