大好きで大切で、私がいてもいいよって唯一認めてくれた場所だった。本当に大好きだったのに自分から壊すとか馬鹿ではないか。
口元に自嘲的な笑みが浮かぶ。
そんな事を考えていたらどうやら着いたようだった。受付をして、なかに入る。
とりあえず風呂に入ろう。どうやらあまり覚えてはいないが悪夢を見たのだろう、汗で体が冷たい。
身体を洗えば、見える古傷に苦笑をこぼす。まぁ、この世界にいれば怪我も多いから普通なら気にしないが。私のはそれだけじゃない。
良かった、他に人がいなくて。朝早いからだろうな。というか毎回思うけどよくこんな時間から開いてるいるよなぁ、この施設。
自分の体に、洗面器で汲んだお湯を流していく。温度はきっと42、3度くらい。
ボディーソープは柑橘系の香り。体を洗いながらぼんやりと考える。
あれからだろうか。
_____"痛み"が、分からないのは。
そんな事を考えながら風呂から出て、仮眠を取る。
明後日から、高校だ。
荷物、宅急便で届くから明日までに住む場所新しく決めなきゃ。あそこでは、もう暮らせないから。
そう最期に思ったと同時に深い闇に吸い込まれる。意識が、堕ちていく。
再び眠りについた。