ブンッ

『おっとぉ!!』

私が回想?してる間にまた暴れ始めた。

後から、そいつの拳を掴む。

『関係は、ねぇんだけどな。……ん?
いや、待て。あるか?

ここは、俺達が納めてる“シマ”だ。

だから、あまり暴れてもらうと被害が出て困るんだよな。』

そう言えば男は逆上して、体を捻ってか俺の手を解き殴ってきた。

『おお!びっくりした!!』

「チッ。」

びっくりした、と言いながらも余裕で避ける。

そして、殴ろうとして腕を振るったせいでがら空きになった鳩尾に回し蹴りを決める。

「グハッ!」

そいつは吹っ飛ばされ、地面に崩れ落ち悶えている。

そんなに強く蹴ったか?

ま、取り敢えず。

『いてーか?痛てーだろ?』

そう言えば、てめぇのせいだろと言うように憎たらしそうに睨まれた。

いいね、その目。決して折れない目。好きだよ、そういうの。意志が強そうだ。

正体を知れば、みんな私たちと戦うのを諦めてしまうから。つまらない。

そんなことを考えてるくらい、私も喧嘩が好きなのだろうか。