お姫様と一緒に見上げれば、幹部室の扉の前で手招きしていたためそこに向かう。

「んもぉ!遅ぉ〜い!!」

そう文句を言われ、永富、お姫様の順番で入っていく。

私も入ろうと思ったところで、固まった。

『な…んで…?』

なぜ、気が付かなかったのだろう。

昨日もここに来たではないか。

ああ、そうだ。

昨日は、《倉庫》に連れてこられて。
そこに驚いて、他の所までは注意が回らなかったのだ。

どれだけ固まっていたのだろう。いや。

時間にすれば、そんなに長くはない。でも、私から見れば、永遠のような気持ちだった。

「早く入れ。」

と。十勝に言われてハッとする。どうやら、高2組の、十勝、金髪、時友は先に来ていたようだった。