顔を上げて意識的に目の前のヤツらを見ればお馴染みの大量ヤンキーと、メイクでケバくなっているパンダ女がいた。

あるある、だ。まぁ あるある こそ楽しいが。

つうか、親父、何で不良校の理事長なんてやってんだ?昔はサラリーマンだったはずなのに。

「自己紹介、してくれる?」

その言葉にコクリと頷いて

『紫陽 里香 。まぁ、宜しくする気はないが、一応宜しく。』

挨拶して、ぐるりと教室を見渡せば。

男は鼻血を出して気絶。

どぉしたの~?なんて、言わない。

私の容姿は、整っているから。だから、この現象も知ってる。だって母も、一応親父も(性格はクソだが)容姿は整っている。

それに加えて、物心ついた時からこの反応。

自覚するなという方が難しい。

そして、女子は。


瞳に畏怖を浮かべている奴が多い。まぁ、それもそうか。

朝に、Kの時のオーラを出しながら睨んで怒鳴ったのだ。

仕方がないだろう?副総長なんて、総長の次に狙われる役職だ。

……戦闘的にも、ミーハーな奴らにも。

自分で選んだのだからそれに対して文句を言うつもりもない。先代の様子を見てこうなるであろう事は知っていたし。

だけと、ウザかったから。やってしまったのだ。

『朝は怒鳴ってごめん』