「……、分かったよ。降参だ。お前は元々俺の兄貴のことも知ってるもんな。兄貴関連で俺に近づいてきたわけでもねぇだろうし。

でもいきなりっつーのは無理だ。頑張るから少し待っててくれ。」

『うん。分かった。ありがとう。
じゃあ、1つ情報を。』

「情報?なんの?」

『私、実はあんたと同い年なの。』


別に秘密とかにしているつもりは無いけど。せっかく信じてくれるって言うし。

「同い年?」

『同学年。』

「……は?お前今何歳?」

『早生まれの16歳。留年?みたいな?』

「留年しちまったから転校してきたのか?」


途端に私を見る目が可哀想な子になる。だからさぁ、私への扱いひどいよね?


『違う。ただ忙しくて。通える環境になかったのよ。』


再び包まれる暗い雰囲気。

「そうか……いや、悪かったな。そんなこと聞いて。」

『雰囲気暗いなおい。まぁいいや。戻るね。そろそろ眠くなってきたし。』

「おー。風邪ひくなよ。」


ほら、やっぱり優しい人だ。少しだけ【あの人】を思い出すのはなんでだろう。ああ、会いたくなってきてしまう。